事業計画書 | Investor Brief | 2026.07

住宅購入で後悔する人を
ゼロにする。

住宅会社の営業現場に、AIの住宅資金プランナーを。見込み客の家計を24時間診断し、営業に「契約につながる一枚」を返す ―― FPを入口にした、住宅営業AIプラットフォーム。

サービス名(仮)住宅みらい設計 提供元西村商店 対象年間20〜100棟の地域工務店・ビルダー 形態SaaS(月額)
00エグゼクティブサマリー

“AI FP” ではなく、“住宅営業AIプラットフォーム” として売る

FP(資金計画)機能を入口に、AI家計診断・営業レポート・住宅ローン情報・アフターフォローまでを一体化し、住宅会社の契約率・営業効率・顧客満足を底上げする継続課金型SaaS。単なるFP代替ではなく、営業全体を支える基盤を狙う。

中核となる問い ― なぜ勝てるのか

この市場には既に競合がいる。だが主要プレイヤーは買切り+年更新の旧世代パッケージソフト(初回5.3万円+年3.3万円級)5で、AIネイティブでもLINE対応でもない。我々の勝ち筋は機能の華やかさではなく、①住宅営業を知る人間が設計した「営業が使えるレポート」と、②顧客の家計データが住宅会社に蓄積される乗り換え障壁(データの堀)の二点に集約される。

93.2%
住宅購入検討者がローン返済に不安
(購入者でも69.9%)4
約41万戸
持家+分譲の年間着工=直接ターゲット母数3
1
追加受注で月額をほぼ即回収するROI構造
貸金業のみ
最大手モゲチェックの運営登録=規制は設計で回避可能6
01課題と市場背景

不安は史上最高、供給側の資金計画は属人的なまま

住宅価格の高騰とローンの長期化で、購入者の資金不安は過去最高水準にある。LIFULL HOME'Sの調査(2025年7月・25〜49歳・n=1,925)では、返済に不安を抱く割合は検討者93.2%・購入者69.9%。検討者の「大いに不安」は57.4%で、半年前の50.2%から+7.2pt悪化している4。「適正予算がわからない」という購入者の不安が、住宅会社にとっては失注要因そのものになっている。

一方で市場の分母は縮小している。2025年の新設住宅着工は約74万戸で3年連続減、1963年以来62年ぶりの低水準3。だからこそ住宅会社は「1棟あたりの成約率・単価をいかに上げるか」にシフトせざるを得ず、営業効率化ツールの必要性はむしろ高まる。着工減はこの事業の逆風ではなく、追い風の論理になる。

三者三様の「困りごと」

お客様

予算が読めない

いくらまで借りていいか、教育費・老後は大丈夫か。保険営業は受けたくない。中立な資金の見立てが欲しい。

住宅会社

FPが属人的

資金相談を外部保険代理店に外注 → 日程調整が要り、保険販売が優先され、顧客データが自社に残らない。

営業/FP

毎回同じ質問

ヒアリングと初期計算に時間を奪われ、本当に価値のあるクロージングに時間を使えない。

構造的な穴

従来、資金相談は保険代理店へ外注される。その結果、購入者の家計・資産という最も価値あるデータが住宅会社ではなく代理店側に蓄積される。ここを住宅会社側に取り戻すことが、本事業の起点。

02競合環境 ― 「隙」はどこにあるか

競合は存在する。ただし全員、旧世代だ

「競合はいない」という提案は投資家に響かない。実在の競合を正しく認識した上で、彼らが取り残している領域を示す。調査の結論は明快 ―― 直接競合は既にいるが、AIネイティブでもSaaSでもLINE入口でもない。

プレイヤー領域提供形態強み取り残している点
マイホーム名人 / FP名人
エフピー研究所
住宅営業の資金計画・提案書作成 買切り+年更新 FP資格なしの営業でも使える。住宅会社を明示ターゲット1 営業が手入力する社内ソフト。顧客直接のAIヒアリング/LINE入口なし
大成功家族®
FPフローリスト
ライフプラン・繰上返済・提案書 買切り 5.3万+年3.3万 低廉。住宅購入計画モジュールが充実5 パッケージソフト。データが自社CRMに蓄積されない/AI非搭載
いえーる ダンドリ
iYell
住宅ローン手続きの業務代行 SaaS(月額) 導入2,500社超。ローン事務を丸ごと効率化2 ローン事務が主。資金計画・家計診断・営業レポートは範囲外
モゲチェック
MFS
住宅ローン比較・診断(対消費者) 消費者無料 利用者50万人・約30行比較6 toC。住宅会社の営業を支援する設計ではない
住宅みらい設計
本事業
FP入口→営業プラットフォーム AIネイティブ SaaS LINE/Webで顧客が直接15分診断→営業に自動レポート→データは住宅会社に蓄積 ―(新規参入)

ポジショニング ― 空いている右上

縦軸「AIネイティブ/継続課金SaaS 度合い」、横軸「住宅会社の“営業”に効く度合い」。旧型FPソフト勢は左に、ローン事務・toCは下や左に散り、右上(営業に効く × AI/SaaS)が空白になっている。

AIネイティブ・SaaS ↑
旧型・買切り
営業に効かない
営業に効く →
大成功家族®
マイホーム名人
いえーる ダンドリ
モゲチェック(toC)
住宅みらい設計

※配置は各社の公開情報に基づく相対比較(概念図)。

03ソリューション

顧客の15分が、営業の一枚になる

LINEまたはWebで、購入検討者がAIと約15分・50問程度の対話をする。そこから40年のライフプランと購入可能予算を自動算出し、営業担当には「そのまま商談で使えるレポート」を返す。

STEP 01

AIヒアリング

LINE/Webで15分・約50問。年齢・年収・家族・貯蓄・教育・老後・希望価格。

STEP 02

AIライフプラン

40年シミュレーション。年収・貯蓄・教育費・老後・キャッシュフローを可視化。

STEP 03

住宅資金の目安

返済比率から無理のない予算帯を提示。金利上昇・繰上返済のシナリオ比較。

STEP 04

AI営業レポート

顧客タイプ・不安ランキング・適正予算・注意点・クロージング論点を自動生成。

STEP 05

AIアフター相談

購入後も税金・補助金・メンテ・家計を相談。関係とデータが継続する。

キラー機能 = AI営業レポート

他社ソフトは「営業が入力する計算機」。我々は「顧客が入力し、営業に示唆が返る」向きが逆。元プルデンシャルの営業設計を反映し、「この客は教育費不安型・予算は◯◯万まで・ここを詰めれば決まる」まで踏み込んだ、現場で本当に使える一枚を返す。

04差別化と持続的優位(Moat)

真の武器は、データが住宅会社に溜まること

機能単体(ローン計算やライフプラン表)は模倣される。SaaSとして投資家が評価するのはチャーンの低さ=乗り換え障壁であり、その源泉は蓄積データにある。

  • データの堀:見込み客の家計・希望予算・不安要素が住宅会社のCRMに蓄積。追客・アフター・次回提案に効き、一度溜まると乗り換えられない。
  • 現場設計の堀:住宅営業とFPの現場を知る人間が設計した「営業が動けるレポート」。汎用AIや旧型ソフトが埋められない領域。
  • AIネイティブの堀:顧客が直接LINEで完結。QR一枚で導入でき、旧型パッケージの「営業が手入力」を構造的に置き換える。
「ChatGPTで十分では?」への回答

汎用AIは①住宅会社専用の学習・レポート様式、②住宅ローン/補助金の業界特化情報、③顧客データの自社蓄積、④営業フローへの組み込み、を持たない。入口をFP、本丸を営業プラットフォームにすることで、汎用チャットとは別カテゴリの価値になる。

05規制方針 ― 最初に問われる論点

「情報提供」に留め、提案は人へ渡す

金融機関・投資家が最初に刺してくるのが規制リスク。曖昧なままでは調達も導入も進まない。調査で線引きは明確になった。

領域登録・免許が要る行為本サービスの立ち位置
住宅ローン特定金融機関の媒介・あっせん(条件交渉・勧誘)→ 貸金業登録/銀行のためなら銀行代理業7一般的な返済シミュレーション・情報提供に限定。個別あっせんは行わない
保険特定商品の勧誘・内容説明・締結の媒介 → 保険募集人/金融サービス仲介業8商品推奨・勧誘はしない(「保険媒介業務関連行為」の範囲に留める)
投資・運用個別商品の投資助言 → 金融商品取引業(投資助言業)NISA等は一般情報の提示まで。個別銘柄助言はしない
有償FP相談(FP資格・相談自体は業務独占ではない)資金計画支援は可。上記3領域の線を越えないことが条件
設計思想(1ページ目に明記する一文)

「AIは一般的な資金計画のシミュレーションと情報提供に限定し、特定金融商品の推奨・勧誘・媒介は行わない。個別提案が必要な場合は提携する有償FP/IFAへ送客する」―― このハイブリッド線引きを製品設計の前提に据える。最大手モゲチェックですら保有登録は貸金業のみ6で、比較・情報提供モデルは無登録運営の余地があることが実例で裏付けられている。

※境界は事実依存。AIの出力設計次第で「特定商品の推奨=媒介/募集」に転化し得るため、実装前に弁護士・行政書士への個別法令照会を必須プロセスとする。

06ビジネスモデルと価格

導入障壁を下げ、継続課金で評価される形へ

SaaSは初期費で稼ぐより継続で評価される。旧型競合が買切り5.3万円級である以上、初期費を厚くすると導入摩擦になる。初期費は抑え、月額サブスクに寄せるのが本筋。

Light

月額 5万円

AIヒアリング+ライフプラン+営業レポート。小規模工務店向け。

Standard

月額 10万円

+住宅ローン情報・補助金・LINE連携・利用人数拡大。中核プラン。

Pro

月額 20万円

+CRM連携・営業分析ダッシュボード・自社学習AI。ビルダー向け。

導入費:初期は0〜30万円に抑制(旧来案の30〜100万は摩擦要因)。オプション:LINE連携・CRM連携・オリジナルAI・住宅会社専用学習・営業分析。

ROIの言語化 ―― これが決め手

1棟あたり粗利を仮に300〜500万円とすれば、年に1棟成約が増えるだけで月20万円プランは即回収。「契約率が数%上がればペイする」を数字で示すことが、月額の高さへの唯一の説得材料になる。

07売上計画(改訂版)

チャーンと獲得を織り込んだ純増ベース

当初案(1年目20社→3年目150社)はチャーン率と獲得コストがゼロの非現実的前提だった。金融機関は必ずここを突く。SMB向けSaaSの月次チャーンは3〜7%(年換算31〜58%)が相場9。以下は解約を織り込んだ純増で引き直した保守シナリオ。

年次新規獲得解約期末社数平均月額年間ARR目安
1年目22-2208万円〜1,900万
2年目60-15659万円〜7,000万
3年目120-4514010万円〜1.6億

※年率チャーンを段階的に想定した純増ベースの保守値。実際の着地は初年度の解約率とCAC回収期間(SMBで6〜12ヶ月が目安9)に強く依存する。当初案の累積150社は「純増後」で近い水準に置き直している。

KPI①

月次チャーン < 3%

データ蓄積による乗り換え障壁で、SMB相場の下限を狙う。

KPI②

LTV / CAC ≧ 3

健全ラインを死守。紹介営業中心でCACを抑える。

KPI③

CAC回収 < 12ヶ月

初期費を抑えた分、回収は月額の積み上げで達成。

08市場参入戦略(GTM)

誰が、どう買うか

第1

地域工務店(20〜100棟)

意思決定が速く、FP外注の非効率を痛感している層。ここで事例を作る。

第2

ビルダー

複数拠点で品質標準化ニーズ。ダッシュボードとCRM連携で刺す。

第3

ハウスメーカー加盟店

本部経由の横展開。実績が揃った段階で。

  • 入口の武器:元プルデンシャルの経験を活かした住宅会社向けセミナー/FP・住宅営業向けウェビナー。
  • 体験導線:QRコード一枚でLINEデモを即体験。「触れる」ことが最強の営業。
  • 横展開:成功事例の横流し+地域工務店ネットワークへの紹介営業でCACを抑制。
09開発ロードマップ

入口から基盤へ、段階的に

Phase 10〜6か月
  • AIヒアリング(LINE/Web)
  • AI家計診断・ライフプラン
  • AI営業レポート(MVPの目玉)
  • 住宅会社1社でのパイロット
Phase 26〜12か月
  • 住宅ローン情報・補助金診断
  • LINE連携の高度化・CRM連携
  • 営業分析ダッシュボード
Phase 31〜2年
  • AI住宅営業アシスタント・商談ロールプレイ
  • 契約確率予測・顧客タイプ分析
  • AIアフターフォロー(継続関係の基盤化)
10リスクと対応

想定される反論に、先回りで答える

リスク対応策
金融規制(貸金業・保険募集)情報提供に限定、個別提案は提携FP/IFAへ送客。実装前に法令照会を必須化7
AIへの不信感AIが一次相談、人間FPが最終確認するハイブリッド。AIは「助言」でなく「整理」
「ChatGPTで十分」住宅会社専用学習・営業レポート様式・業界特化情報・データ蓄積で別カテゴリ化
旧型競合の価格(買切り安価)買切りが持てない「AI・LINE入口・データ蓄積・継続改善」で土俵をずらす
着工減による市場縮小3縮小下こそ「1棟あたり成約率向上」ニーズが増大。逆風を需要に転換
導入が進まないQR/LINEで即体験、初期費を抑え、パイロット→事例→紹介の順で摩擦最小化
11創業者の強み

この3点を同時に持つ人は、ほぼいない

西

西村 直人 ― 西村商店 代表。結婚相談業・設備/ガス事業・ITコンサルを運営。

  • 元プルデンシャル生命の営業として、FP相談・ライフプランニング・保険提案の現場を熟知。
  • 不動産事業(宅建業)を通じ、住宅購入・住宅営業の実務を理解。
  • AI・業務改善の実装者。LINEボット・監視自動化など「動くもの」を多数内製した実績があり、「作れると言う人」ではなく「作った人」。
証拠の添付を推奨

「AIを作れる」は主張でなく実績で示す。既存の内製プロダクト(LINE配信ボット・業務監視自動化・献立提案ボット等)をポートフォリオとして計画書に添付すると、技術面の説得力が跳ね上がる。

12次のアクション

最初の一手

最優先

Phase 1 プロトを1社に見せる

LINE×AIのヒアリング→営業レポートの簡易版を作り、地域工務店1社で生の反応を取る。西村商店の強みは「動くものを作れる」こと。事例が全ての起点。

並行

法令照会と提携FP確保

情報提供/媒介の線引きを弁護士・行政書士に確認。送客先の有償FP/IFAを1〜2名確保し、ハイブリッド体制の実在性を担保。

資料

この計画書をピッチ化

本書を1枚ピッチ+10枚デックに圧縮。ROI・データの堀・規制方針の3点を軸に、金融機関/投資家/住宅会社の3宛先で微調整。

検証

ユニットエコノミクス精緻化

初年度のチャーン実測とCAC回収期間を早期に取り、売上計画を実データで置き換える。

出典(検証済みファクト)
本計画書の市場・競合・規制データは、独立した複数ソースを横断検索し、各主張を3票の敵対的検証(2/3で棄却)にかけて確定した25件の検証済みファクトに基づく。企業の導入社数・利用者数はマーケティング自己申告値であり第三者監査ではない。規制の境界は事実依存で、最終判断には専門家の個別照会を要する。
  1. エフピー研究所「マイホーム名人」「FP名人」製品情報(住宅営業向け資金計画/ライフプランソフト、住宅会社を明示ターゲット)― fplabo.co.jp/fptool/myhome-meijinfp-meijin
  2. iYell「いえーる ダンドリ」サービス概要(住宅ローン業務支援SaaS・導入2,500社超)― dandori-info.iyell.jp/service
  3. 2025年新設住宅着工 約74万戸(62年ぶり低水準/持家20.1万+分譲20.8万戸)、国土交通省「住宅経済関連データ」― mlit.go.jp(住宅経済関連データ)
  4. 住宅ローン返済不安:検討者93.2%・購入者69.9%、「大いに不安」57.4%(前回50.2%)、LIFULL HOME'S調査 2025年7月・n=1,925 ― lifull.com/news/44035
  5. FPフローリスト「大成功家族®」料金(初回税込52,800円・年更新33,000円、買切り年更新型)― fp-florist.com/softprice
  6. モゲチェック(MFS):利用者50万人・約30行比較・消費者無料、保有登録は貸金業者登録(東京都知事 第31690号)のみ ― mogecheck.jpmortgagefss.jp/service
  7. 住宅ローンの媒介・あっせんを業として行うには貸金業登録/銀行のためなら銀行代理業許可(金融庁 監督指針・法令照会)― fsa.go.jp(主要行等監督指針)
  8. 保険の勧誘・内容説明・締結の媒介は要登録。推奨・説明を伴わない情報提供は「保険媒介業務関連行為」として登録不要(金融庁 金融サービス仲介業者向け監督指針)― fsa.go.jp(金融サービス仲介業者向け監督指針)
  9. SMB向けSaaS 月次チャーン相場3〜7%(年31〜58%)、LTV/CAC 3倍が健全ライン、CAC回収SMBで6〜12ヶ月 ― SaaS KPIベンチマーク(2026)